萱場町の森岡書店で本を2冊。

撮影後、事務所でデータを開いてみる。JEPEG画像をブラウザでざっと見て、ピントがきちんと合っているものを軽くセレクトし、その後2枚に絞り込んだ。

同時記録のRAW画像をキャプチャーワンで展開し、少々のコントラストと濃度の調整をしてみる。

しかし後ろの方から水銀灯が橋の中央に強く緑色の影を落としている。手前は白熱灯の影響でオレンジ色になっている。これでは見苦しい。

展開したデータをフォトショップに移し、レイヤーとマスクを使い、ひとつひとつ色をつぶすように修正していく。

ハイライト、中間調、シャドー、色域と別々にレイヤーをつくり色調と濃度を合わせていくのだが、どこまでやればいいのか決めかねてしまう。橋の上はまだ色むらがあるが、あまり直しすぎると不自然な気がする。

30分後、ある程度満足がいくものができたが、何か物足りない。

ちょうどそこへレッタチャーのTさんが事務所にやってきた。彼にはワークショップ内のワークショップとして「フォトショップ講座」の先生をお願いしている。たまにこの日記で募集しているやつだ。

Tさんに「なんだかパッとしないんだけど」と相談したら、ワークショップの講座の最後に皆の前で実践レタッチとしてやってくれた。「レクエストはどんな感じですか?」と聞かれたので「生っぽいの消して」とお願い。随分とアバウトな指示だ。

レタッチの様子はプロジェクターで壁に大きく写される。Tさんはまったく迷うことなく、タブレットをペンがあちこち動いたかと思うと、あっというまにレイヤーの山ができる。まるでYOU-Tubeのフォトショップ動画さながらのスピードで画像が変化していくのだ。

「こんな感じかな、まだ詰めきれてないけど」と手が止まるまでおそよ5分。橋の表面の色むらはほとんど消えていた。

なるほどプロは仕事が速い。

直してもらったデータをもとに、さらにハイライト部を落とし、アンバー系の色を全体にかけ、ノイズをモノクロチャンネルに少々乗せて完成させた。

雑誌見開きを考えA3にプリントアウトしてみる。全体的な破綻は感じられない。これで納品はできそうだ。

しかし、ほとんど真っ暗な中でも撮影が可能な時代になってきたんだな。大きく伸ばしても何の問題もない。

3年前なら考えられないことだ。カメラと共に自分の考えも新しくしていかないとついていけないってわけだ。