帰国後の夕食は手巻きずし

モンゴルから無事帰国。

今回で3度目となるモンゴル。同じところに3度も行くというのは自分としては珍しい。

モンゴルは2005年、2006年の二度の旅で十分満足していたはずなのに、どうしてももう一度行きたくなってしまった。

今回は西のロシアとの国境付近へ行きたかったのだが、スケジュールの都合もあり、一度目にに行ったハラホリンというウランバートルから南西へ300キロ離れた所へ向かった。季節も一度目と同じ6月下旬。この時期は天候が安定していてカラッと晴れ、日中は30度を超すが朝晩は過ごしやすくモンゴルに行くには絶好の時期だ。

2005年にお世話になった牧民の家を再び訪ねるることにしていた。当時は見ず知らずの我々を歓待してくれて遊牧生活の素晴らしさを教えてくれた。彼らに会えるのをとても楽しみにしていた。

ところが今回訪れると、同じ場所であるのに関わらずなんだか様子がおかしかった。どこがおかしいとは分からないのだが前回と勝手が違う。喜んで出迎えてくれたのだが、表情がさえない。疲れているように見える。

以前は溢れるようにいた羊や牛の姿がわずかしか見えない。話を聞いたら今年1月下旬、この付近ではめったに降らない雪が40センチ以上積り、家畜がほとんど死んでしまったそうなのだ。

幸い馬だけは別の場所に移動することで難をのがれたが、羊や牛はほぼ全滅。雪解け後、死んだ家畜の後始末が続き、そのうえ新たな家畜を仕入れるのに銀行から借金をしなくてはならなくなった。

近くに住む牧民の半数が全ての家畜を失ったという。家畜を失うということは、生活の全て全てを失うと等しく、もはや遊牧では生きてはいけない。5年前に一緒に飲み歌った牧民のひとりはここでの生活を捨てウランバートルで暮らしているという。あれほど牧民であることにに誇りを持っていた彼がその暮らしを捨てなければならなかったのだ。

ここ5年でモンゴルは砂漠化が激しくなり遊牧生活をおびやかしている。以前は小さな花が一面に咲いていた草原に、もはやその姿はなく、草の色も褪せている。その速度はすさまじく、南のほうから浸食するように砂漠化が進んでいる。ここでいう砂漠は砂丘化ではなく、草が生えないといことを指す。

1年中で一番過ごしやすいはずの6月だというのに気温は40度を越し、日中に外に出ることは不可能なくらいだった。そのせいか以前はいなかった蚊がいたるところで大量発生していて悩まされた。