夜もお鍋の予定。白菜と豚バラ。

錣山(しころやま)親方の撮影で実に25年ぶりに相撲部屋に行った。親方が現役時代寺尾という四股名で人気絶頂の頃に僕は新人カメラマンとして相撲部屋に出入りしていた。

千代の富士横綱小錦大関。そこへ寺尾が立ち向かうという図式だった。朝稽古から本場所、地方巡業、2年近く相撲の世界にどっぷりと漬かっていた。だから力士の甘い鬢付け油の匂いをかぐと今でも体が自然と緊張する。

撮影後チャンコをごちそうになった。今日は味噌仕立ての鍋と肉と魚とサラダとバランスのとれた献立。さすがに旨い。お店で食べるチャンコとはちょっと違う。

部屋が清澄白川だったので、新しくできたギャラリーTAPに寄ってみた。住所を頼りに行ったのだが迷った。目印はは中華屋、そのちょっと先。若い写真家4人でやっていると聞いていたので、てっきりアパートの一室を借りて… と思っていたら、道路に面したかなり立派なギャラリーだった。

オープニングということで構成メンバー4人のグループ展だった。4人中3人がモノクロ。いまどき珍しい(笑)でもそのクオリティはかなり高い。村越としやはやっぱりいい。正方形でモノクロで雪を撮っていて、なんだかすごく自分のスタンスと似ている感じがする。ずっと見ていきたい作家ができた。

TAPのすぐ近くに赤々舎のギャラリーがある。歩いて2分くらいだ。 藤岡亜弥「私は眠らない」をやっている。藤岡亜弥も若手の女性作家の中ではとても好きだ。ビジュアルアーツ・フォト・アワードの2004年度一般部門大賞を受賞した『さよならを教えて』は衝撃だった。昔の日記にも書いてあった。http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=178978&log=20050113

ニコンサロンでやった『私は眠らない』を赤赤舎で写真集化し、今回の展示になったようだ。展示の様子が赤赤舎のブログで見れるがかなり変わっている。写真展というと、とかくサイズを一緒にして統一感を出してとなりがちだが全作品バラバラ。額も写真用ではない。

実は自分の次の個展でこれをやろうと思っていた。作品は当然額込で売る。そしたら彼女もそうしているではないか。

『私は眠らない』の中で一番好きなカットが1番目に展示してあった。その引力は半端ではない。何度も何度も離れてもまたひきつけられる。

しょうがない。観念した。

ギャラリーに赤い丸が一個増えた。

展示は今月26日までだそうです。