お祝いは麻布で腹いっぱいの餃子

2日続けて誕生日のお祝い。娘が14歳、アルルに一緒に行ったMさんが還暦。

どういうわけか、よく子煩悩な人だと勘違いされるが全然そんなことはない。子供の頃は連れて歩くのが面倒で、日曜日に行く場所は決まって近所の公園だけ。そのときに撮っていたのが東京のモノクロシリーズだ。

自転車に乗せてグルグル近所を回って撮っていた。娘を連れているとカメラを持っていても不審者に思われないのがありがたい。

保育園の送り迎えはよく行っていた。やっぱりカメラをぶら下げて。父親が出入りするのは珍しいのだが、その中でいつも一緒になる齋藤さんという寡黙な父親がいた。さえない父親がふたり、用具入れの前で並んで帰り支度をしていたのを覚えている。

挨拶はするけれど物静かで何をしている人か分からなかった。東大を出ているらしいと妻から聞いて驚いた。妻と娘は家に遊びに行ったことがあって「学者さんみたい」と言っていた。

数年後「齋藤君のお父さんが本を出したみたいよ」というので本屋に行ってみた。タイトルは「声に出して読みたい日本語」

そう、寡黙な父親の名前は齋藤孝だったのだ。その後の活躍を見るにつけその変貌振りに驚いた。

齋藤さん僕のこと覚えているだろうか?