写真集製作過程2

前回決めたページ割を元に、パソコンに入れてある写真のデータを整理した。ファイルをページ順に並べ替え番号をつけていく。

それをA41枚につき写真を2枚配置して山折にする。全ての写真を印刷して背をガムテープで閉じればA5版写真集のできあがり。このような写真集を作るたたき台をマケットと呼ぶそうだ。ら田中長徳さんから聞いた。

最初に写真集を出したときにはデザイナーがマケットを作ってくれた。それを見たときが写真制作の中で一番嬉しかったのを覚えている。実際に出来上がった本はそのコピーに過ぎないのだ。

出来上がったマケットを手に取りパラパラとめくる。並び順に問題はないか何度も何度もめくりなおす。2ヶ所気になる点があるが、ほぼ満足できる構成だった。

写真は米沢から始まり東京に進み、モンゴルへ流れ、また米沢へ。そしてまた南の島、NY、パリ、中国、ミャンマー、ハワイと写真が続く中、何度も米沢と東京が入り込む。そして最後は米沢で終わるのだ。

タイトルは「traverse」とすることにした。〈場所を〉横切る, 横断する, 越える, 渡るよいう意味だ。ウロウロする、ジグザグに進むという意味もある。

タイトルを考えていた時に、どういうわけか突然ポッと頭の中に浮かんできた。辞書で詳しい意味を調べて驚いた。まさに自分の写真のありかたそのものなのだ。

最初から写真集の構成もジグザグにしたかった。写っている場所に統一感もない。「traverse」しながら写真を撮ってきたのだ。

ページ順を確認しながら実際の原稿を揃えなくてはならない。今回、フォーマットは35ミリ、645、66、69、シノゴ、バイテン。フィルムの種類はモノクロプリント、ネガカラープリント、ポジ、デジタルとありとあらゆるものを使っている。

ネガカラーはプリントで入稿するのではなくネガ入稿となる。ただし見本のプリントをつけなければならない。ネガ入稿は始めての経験だ。

1日かけて写真を集める作業をする。昔のポジやネガが紛失していないかヒヤヒヤものだ。

モンゴルのプリントを10枚焼きなおし。それとシノゴのポジが1枚どうしても見当たらない。2週間前に見たばかりなのに。

ここまで書いたところで漂流者のブログを見たらすでにこのことがアップされてあった。写真がついていて分かりやすいのが癪である。
http://wagahyouryuki.jugem.jp/?eid=485#