ダイエットココアとナンピザの朝食

野口五郎の撮影。今が旬の人を撮影するのも楽しいが、子供の頃テレビで見ていた芸能人を撮影できるのはまた格別のものがある。

オープンカフェでの撮影で周りにお客さんがいたが、インタビューを終え撮影の段取りになると不思議と人がはけ、上手い具合に空間ができた。

どんよりとした雲も一瞬晴れ、座っていた野口五郎の顔を一筋の光が照らす。光さえよければ仕事は速い。必要な3カットをあっという間に撮り終えた。今日もネガフィルムだ。

芸能人の大物に多いのだが、撮影となると不思議と条件が整う。降っていた雨が突然やんだり、雲の切れ目から日が差してきたり、人がはけたりと、まるで「用意できました」と合図が出ているようだ。

単なる偶然なのかもしれないが、これが芸能人の「オーラ」と表現されるのかもしれない。

銀一から「お待たせしました。5Dが入荷しました」と連絡があった。どうしよう… 撮影中だったので「ちょっとまってね」と電話を切ってしまった。

本当に5Dは必要なのか?20Dを買ってから1年しかたってないぞ。もう1年待てばもっとすごいのがでるはずだ。ボディを買ったらズームも買わなきゃ。大容量のCFカードにパソコンも新しくしないと。そうなると軽く80万円だ。80万円のもとをデジカメで取れるのか?だいたいデジカメでの仕事はギャラが安いぞ。でも5Dはすごく使いやすそうだし…

頭の中をぐるぐる5Dが回る。さあ、返事はどうする。