森美術館に杉本博司「時間の終わり」を見に行く。
http://www.mori.art.museum/html/jp/index.html
これまでもエルメスギャラリーや原美術館アネックスなどで何度か杉本博司を見てきたが、今回の展示は「劇場」「ジオラマ」「アウトフォーカス」「千仏体」と彼の仕事の全てを見ることができる。入場料1500円分以上の見ごたえがあった。
圧巻は「シースケープ」の展示ブースだ。能舞台を模したセットの中、「キーン」という高周波と「ブーン」という低周波の入り混じった音が響く。空調が壊れたわけではなく、音楽家が作音したものだ。
プリントサイズは全て巨大である。にもかかわらず、まるで「アレ」を感じさせない。マダムタッソー蝋人形の「PORTRAIT」シリーズの質感は身震いするほどだ。
今まで理解できなかったアウトフォーカスの建築シリーズも、今回の展示とキャプションで合点がいった。
見ている間中「オオ!」「アア!」「ウウ!」とうめいていた。こんなときは、住みづらい東京に住んでいる意味があると感じる。
この間ブルータスの「杉本博司を知っていますか?」のことを書いたが、本を読んだ後でに行くとより楽しめるはずだ。
六本木から日比谷線で銀座へ。築地仁写真展「水平彷徨」が今日からだ。ギャルリ ドゥミ ソメーユhttp://g-ds.web.infoseek.co.jp/
銀座の古いビルにある小さなギャラリーに、小四つ切のサイズのプリントが20点ほど並ぶ。築地さんの写真は、いつ見ても眺めいってしまう。
築地さんとプリントの話し。築地さんは写真を感性とか感覚でなく、数字で分解できる数少ない写真家だ。理論が薀蓄ではなく実体がある。
渋谷の写真学校の教え子が来ていた。彼らは築地さんに教えてもらう幸せを分かっているのかなあ。