アートシーンと写真

横木さんのブログでアートシーンの話がわかりやすく書かれている。販売するものも購入するものにも非常に興味深い。http://alao.cocolog-nifty.com/the_eye_forget/2005/05/post_08d0.html

横木さんの書かれたものと同じくアート写真について書かれたブログがある。http://blog.goo.ne.jp/fm628/c/323b4b882a63515cb0652c9c9f4870e9

これらを参考にこれまでの経験で考えると、

プリントを作者が個人売買するのは、経済行為で考えると「物々交換」になる。一対一で行われる極めてミニマムな商行為だ。両者の納得で行われるためこれはこれで幸せな行為とも考えられる。市場で購入されたものではないので、作品が二次放出されることはない。

作品を流通させ、価値(価格)を高めようと考えたらアートシーンに参入する必要がある。個人売買からギャラリーを通した商行為になる。購入した作品は、オークションなどで再放出されることもありうる。そのため写真のカテゴリーよりもマーケットが成熟した現代芸術系のギャラリーと契約することが必須となる。

「写真」と「現代芸術」の差がどこにあるか。どちらも写真を媒介に物事を表現するものだが、簡単に言えば現代芸術のギャラリーと契約した段階で作家、作品は現代芸術と見なされる。

アートシーンに参入できる「現代芸術のアートフォト」とは、「オリジナリティ」があるかどうかになる。作品を構築するテクニックの高さは当然ながら、他の誰にもない独自性が必要だ。独自性とは新しい物の見方、新しい価値観のことだ。

「オリジナリティ」とともに不可欠なものは、作品に対する作者の説明行為だ。作品に関する意図、背景、考え方、見せ方を作者が言葉を使って提示していかなければならない。

作品をアートシーンで流通させるには、市場への理解が深いギャラリーの役割が大きい。作者個人でアートシーン市場に介入することはできない。

アートシーンに参入するには継続的に作品が市場に供給されることが必要になる。

以上のことが考えられる。

アートシーンに参入することが全てではないと思うが、もっと市場がどういうものか知る必要がある。その上の判断で写真のカテゴリーに留まるかどうかをのを選択すればいい。