米沢風芋煮。塩鯖。

撮影前、半蔵門JCIIフォトサロンに操上和美作品展 「NORTHERN 北の風景」を見に行く。http://www.jcii-cameramuseum.jp/p-events/20040330.htm

繰上氏が故郷北海道を撮ったシリーズ。エイトバイテンを使ってビシッと決めた写真、というイメージが繰上氏にはあるが、このシリーズは全てライカで撮られている。

あまりにもそっけない写真にはじめは戸惑いさえ覚えた。ところが見ていくうちにポンッと絶妙のタイミングで眼を引く写真が挟み込まれる。前かがみになった体がシャンとするような感じ。ふたたびアンクライマックスな写真が並び、またしても一枚の写真に突然体が引き起こされる。

おそらく「写真的な写真」で十分構成できるのだろうがあえてしていないのだろう。全てを見終えると、そっけない写真のほうに北海道を感じてしまっていた。住んでいるものにとっては「大自然に囲まれた雄大な大地」というより普通の生活の場なのだ。

撮影で使われたライカが展示してあった。ハゲハゲで真鍮の地金が光るM4ブラックにスーパーアンギュロン21ミリ。久しぶりに物欲が目覚める。カメラではない、分かってはいるがいい写真を見ると影響されてしまうのだ。

5月の連休は米沢に帰る。きちんと写真を撮ってこようと思っている。なんのカメラを使うか悩んでいたが、自分の中で「ライカ」が突然急浮上している。

もうひとつ京橋ツァイトフォトサロンで進藤万里子「bibo」を見る。大判のロール紙にモノクロプリントされた作品。

「貼られたポスター、街の風景、それに室内の静物、それらはみんな私の写真の中で、白黒(光と陰)模様に奉仕する素材です。私以外は全て素材。作品は言葉から離れたところに置かれる光のバリエーション。タイトルは『bibo』。意味などありません。」http://www.zeit-foto.com/exhibition_j/now_holding.html

少々挑発的な写真 。写っているものには意味はない。光だけを扱っている。ある意味写真として正しいわけだ。