10月24日木曜日です。本の書店流通の話。

https://m.youtube.com/watch?v=Qs-_cYy5dwg

 

10月24日木曜日です。なんだかブログのほうが見てくれる人が多いみたいです。

 

『じゃない写真』を今週末10月28日土曜日まで限定販売します。正式な発売は来年早々です。出版社の倉庫に今日納品なので、発送は来週になります。概要欄見てください。ベイスというプラットフォームから申し込めて銀行振り込みとクレジットカード払いに対応しています。

 

今日はあまり馴染みがないかもしれませんが、本の書店流通についてお話しします。

 今まで5冊の写真集と5冊の書籍を出しました。

2000年、最初に出した写真集『午後の最後の日射』(ごごのさいごのひざし)は自費出版です。その時に初めて流通ということに直面しました。

写真集を出したくても、どこの出版社も相手にしてくれないので、四谷三丁目にあった、写真関連の本屋さんと、自費出版をサポートしていたmole (モール)で出すことにしました。

そこなら書店流通もできたし、少なくともそこの本屋さんで置いてもらえるかなと思って。でも出版後すぐにモールは倒産。倉庫にあった在庫は500冊以上は自分の事務所に引き取ることに。

写真集に囲まれて途方にくれました。捨てたくなります。 本屋さんで売れないから、残りは手売りしかないわけです。そこで自分のサイトを作ったのがネットを始めたきっかけです。

写真集は作るよりも売るほうが何倍も大変です。やる気とお金が用意できれば本を作ることはできます。でもすぐに「これ、どうやって売ればいいんだ?」ということになるわけです。

自費出版をしてくれるところは、本は作ってくれても、売ってはくれない。一応自社のサイトでは紹介してくれるけど、そこから売れるようなことはないです。

ちょっと前なら本を買うところといえば、本屋さんでした。「でした」というのは、今ではAmazonがあるから。いつからでしょうね、なんでもかんでもAmazonで買うようになったのは。

さて、本屋さんに置いてもらうにはどうしたらいいかというと、基本的には出版社から取次と呼ばれる本の卸業者を通して、全国の書店に配本してもらいます。出版社が直接書店と取引しているわけではないんです。最大手はトーハンと日販。名前を聞いたことがある人もいるでしょう。そのほかにも取次は数社あります。

 取次は、出版社から本を受け取ると、まず定価の60%から70%の代金を出版社に支払います。

取次を通して本は本屋さんに送られ、一定期間預かってもらいます。売れたら本屋さんは手数料として定価の25%程度を受け取り、残りを取次に渡します。

預かってもらうということは、本屋さんは本を買いとっていないので、いつでも返品できることになります。一応期間は決められていますが、あまり機能していないという話もあります。

返品された本は、取次を通して出版社に返されます。そして本屋さんから注文があると、再び取次を通して書店に送られます。通常7回ほどいったりきたりするそうです。ある意味中古品。

本屋さんは、セレクトショップのように見えて、委託販売業者なんです。そのため新刊本の値段は全国どこで買っても同じです。勝手にディスカウントしてはいけません。古書店は買取制なので書店が価格を自由に決めることができます。

 

本の価格は出版社が決めて、それを守らなければならない。家電ではメーカーが小売価格を押しつけることができないように、オープンプライス制が定着していて、小売店が勝手に値段をつけてもいいけど、本は出版社が決めた値段のみで売られるから全国統一価格。これって実は独占禁止法違反。

 

これは日本独自の本の流通制度で、再販売価格維持制度といいます。通常の品物と違って、古くなっても本は定価どおりに売られます。再販売価格維持制は、通常再販制度といいます。独占禁止法の例外により、書籍・雑誌・新聞などについては価格拘束が認められているのです。

自由な競争ができないなど、その是非が何度も問われていますが、委託販売のため売れる見込みの少ない本でも流通させることができるのがメリット。

欧米の書店はすべて買い取り制ですので、売れる本しか扱わない。買いとっても売れなさそうだったら、ワゴンに積んで叩き売りのようなこともします。欧米では売れない本は流通できない。だから知名度の低い写真家が本を出しても本屋さんで流通させるのはほとんど無理。売れそうにもない、値段が高い写真集は本屋さんが敬遠しがちです。じゃあ、彼らがどこから出版するかというと、その多くがギャラリーだったりします。

しかし日本では再販制度があったおかげで、1960年代から多くの写真集が流通してきました。流通できることで、写真集を作ろうと思う人が多かったわけです。本屋さんに自分の本が並んでいるのはかなり嬉しいですから。

これは世界的にみて特異な現象で、日本独自の写真集文化が生まれた土壌になっていると思います。再販制度は問題があると言われていますが、ある一定の効果があったのもたしか。でもこれからは大きく変わると言われています、。

 

最近では本屋さんに頼らない、ネットを通じてピンポイントに販売する形が増えてきました。ほとんどの写真集の制作部数は1000部くらい、多くても1500部。少ないと500部という場合もあります。そうなると、ネット販売で売り切ってしまうこともできる。写真集は言語の壁を超えて世界で売ることもできますしね。実際海外マーケットのみを考えている日本の出版社もあるくらいです。

僕が写真集を出している冬青社は、書店流通にこだわっています。たしかに書店に置いてもらうことで、大きな広がりを持つことがあります。僕の写真集だと『da,bastia』(ダガシタ)がそうでした。書店注文が毎月コンスタントにあり、あっというまにすべて売り切れました。

ただ、書店流通の最大のデメリットだと思っているのは、カバー後ろにISBNコードを印刷しなければならないことです。このISBNコードというのは、流通管理のため必要なもので、これがないと書店では扱ってもらえないのです。

 

しかしこれがブックデザインを著しく壊してしまう。シュリンクといってビニールカバーにくるんでISBNコードのシールを貼り付けるというのもあるけど、そうすると中身が見えない。

それが嫌で書店流通させないという選択をする出版社さえあります。ブックデザインが大事な写真集にとって、ISBNコードの印刷は無視できないほど大きな問題。僕もそれを入れたくなくて『demain』(デュマン)では一部、特装本を作ってISBNコードをいれませんでした。

 

とにかく売るって大変。毎回本を作るたびに思います。

 

 

 

 

『じゃない写真』先行発売

お待たせしました。『じゃない写真』の先行発売です。1026日土曜日までの限定となります。

 

「最近の写真はよくわからない」と思っている方は是非読んでみてください。『旅するカメラ』の続編のようなものです。よろしくお願いします。

 

購入サイト BASE

クレジットカード、銀行振り込みが使えます。送料無料 2640

出版社から、ゆうメールでのお届け。

じゃない写真 | 2BH

https://gsfr3.app.goo.gl/VBWWJB @BASEec

『じゃない写真』とルデコ

 

https://m.youtube.com/watch?v=W2p5x3b2lcU

 

10月21日月曜日です。チャンネル登録者数は763人、男女比はなんと97.3%対1.7%。

女性は13人しか登録していないことになります。どういうことでしょ?

女性人気がないことおびただしい。

そんなことを言っていたら「そうですよね、コンタックスのズームレンズでは女性は食いつかないでしょうね」と言われました。もっともです。 

 

さて先週の金曜日、グループ展の会場に『じゃない写真』の刷りだし30冊を編集者さんが届けてくれました。

昨年7月から初めて1年以上、今年の前半はそれにかかりきりでした。それが一段落してからはYouTubeにかかりきり。そのふたつでもうすぐ一年が終わりそうです。

 

本は出来上がったのですが、本格的な発売は来年度なんです。出版社がこれから営業をかけて、書店に置いてもらえる数が多くなってから発売になります。

これがとても大事なので。

 

もうしばらくお待ちください。それまでに、渡部と直接会える方は「じゃない本」と言っていただければ、おわけします。

Amazonも来年になるかな。直販サイトができたらお知らせします。

内容についてもそのときに。

 

 

渋谷ルデコでの「ワークショップ2B&Hグループ展」は20日で無事終了しました。

今日は1年で一番ほっとする日です。来ていただいた皆様ありがとうございました。

来年は11月3日からです。もう全フロア予約済み。

 

3階の「H」の展示は、今までの方向性とはまったく違ったものだったので、受け入れてもらえるか、正直なところ心配でした。でもそんな不安はすぐに吹き飛びました。

 

ある2人組の男性は、作品を前に会話を続けていて、あまりにも熱心に見てくれていたので声をかけると「あ、もう1時間40分も展示を見ていた」と彼らも驚いた様子でした。

 

先ほど言った、「以前との方向性の違い」というのは、2B時代はフィルムと印画紙を使ってのワークショップだったので、いかにプリントのクオリティを上げるかということを考えていました。ベクトルで言うと、高見を目指す垂直方向の思考でした。

 

明確な目標を定めてそこに向かっていくというイメージです。そして自分の作品を自分自身が理解するため言語化することも要求していました。

 

2018年に「H」を始めてからは、フィルムではなくデジタルカメラを使うようになって、クオリティを上げるという垂直方向ではなく、今考えていることを「ちょっとずらしてもらう」水平方向の考え方を目指しています。

 

グループ展の相談を受けるときも、今作っているものから「ちょっとだけずらしてみて」ということを繰り返し言っていました。ずれていくわけですから、どこへ向かうのか作者にもわかりません。

 

そして次回できたものから、またちょっとずらしてもらいます。ですから、やってもやっても上手い写真にはなりません。ずれているわけですから。

 

なので、本人にも理解ができないものができあがる可能性があります。だから言語化は不可能です。ですので今回はテキストをつけるかつけないかは相談の上決めて、あえて必ずつけるという前回までのお約束はなくしました。

 

「H」でやっているのは、水平思考だと思っています。クオリティを高める垂直的なアプローチを一度やめてもらって、考え方の幅を広げる水平の広がりです。これは写真の中だけではなく、現実社会でも求められるものだと思っています。

 

こんなことを考えるようになったのも、2013年くらいからです。

たくさんの展示や、多くの関係者から話を聞くようになってきて、徐々に考え方が変わってきました。

「H」のワークショップでやっていることは、ちょっと抽象的でなので、〝参加すると、こんなにいいことがあるよ”とは言い切れないところがあります。参加してもらわないことにはわかりづらいというのが今の課題です。

 

でも、こうやって「H」の展示を通して直接見てもらうことができて、そしてそれを楽しんでもらえることができたのは本当によかった。

 

「H」6期は現在募集中です。

写真のことを、写真以外からも考える講座です。

考え方が変われば、必ず写真も変わります。

写真を始めたい方、作品作りで悩んでいるかた、写真が好きな人すべての人が対象です。

 

11月の2日(土)、3日(日)からスタートします。詳しくは概要欄へ。

 

さて、これからギャラリー冬青に行って来年1月の個展の打ち合わせ。

1年はあっという間だなあ。

 

 

 

 

 

 

ルデコグループ展が始まりました

youtu.be

 

10月15日火曜日です。

 

昨日の月曜日は、渋谷ルデコへグループ展の搬入でした。台風に当たらなくてホントよかった。昨年は最終日に台風とぶつかり、JRが計画運休するなど大騒ぎでした。

 

さて3階は「H」終了展、4階5階は2BのOB展、6階は平井タコさんの個展ということは前回お伝えしましたが、今日は3階の終了展について簡単にお話しします。

 

ワークショップを始めた当初は、グループ展をやるつもりはまったくありませんでした。理由は簡単。それまで見た写真教室などのグループ展がつまらなかったからです。こういうと偉そうですが、当時、僕はまだ40歳くらいの若造でしたから、今よりツンツンでした。

 

最初にワークショップに参加してくれた人から「グループ展はないんですか」と聞かれて「グループ展なんてつまらないからやらない」と断言してました。「やるなら個展」といったら「でもどうやって個展やったらいいのか、会場決めや、額の手配や、作品の大きさとかさっぱりわからない」と言われて「ああ、そうだな」と。

 

僕が最初に個展をやったのは、銀座の「コダックフォトサロン」ですが、そのときギャラリーの人が、展示に関することを全部教えてくれました。マスコミへの告知や、額の発注の仕方、会場にかける音楽のことまで。コダックフォトサロンはもうなくなってしまいましたが、新人がやるのには、本当にいいギャラリーでした。ネットのない時代に情報を得るには、人に教えてもらうのが一番でした。

 

ならば発表会のための展示ではなくて、将来のためのステップとしてやってみようと考えました。そして実際にやってみたら、面白ろかった。びっくりするほど楽しくて、以来16年も続けているわけです。

 

見に来てくれる方には申し訳ないけど、グループ展は見るよりやったほうが何倍も面白い。とくに搬入が一番楽しい。真っ白い壁が、写真で埋まって会場になる。おおげさに言えば無から有が生まれる感じ。

 

16年もグループ展をやっていると、 傾向も大きく変わっていきます。「2Bと言えばモノクロ」と言われた時代もあったし、大判プリントや、ネガカラープリントが多い時期もありました。

 

今回は2BからHに名称が変わっての1回目ですので、やっぱり大きく変わりました。Hの講座の中では、繰り返し「レイヤー」の話をしています。シングルじゃなくて、マルチ。つまりレイヤーです。レイヤーは、重ねられた層という意味ですね。

 

なぜレイヤーかというと、世の中が単層、シングルではもはや対応できないからです。電車のアナウンスさえ複数の言語で話されています。世の中がそうなっているのだから、アートだけ写真だけ別というのも変な気がします。写真は時代を映すものですから。

 

なので、今回の3階の展示のほとんどは、なにかしら作品の構成がレイヤー状になっています。それがなにかということをちょっと楽しんでください。わからなかったら渡部がいますのでいつでも聞いてください。作者がいたら遠慮なく。まだまだ説明不足の面もあると思いますが、聞いてもらえることで、次の発想につながっていきます。

 

それから、会場のあちこちに「右」があります。右って何?と思ったら話しかけてください。一緒に「右」を考えましょう。

 

でもなあ、絶対「こんなの写真じゃない。真面目にやりなさい」って言われるだろうなあ。でも大丈夫。4階と5階はすごくしっかり写真してます。2Bにスタイルがあるとするなら、スタイルがないこと。これだけは自慢できます。

 

ではルデコでお待ちしています。

YouTubeでもブログやってみた

 

Youtube でブログを始めました。

youtu.be

以下は、その内容です。

 

 

いつも2B Channelを見ていただいてありがとうございます。

 

動画配信から1ヶ月ちょっとたちました。

これまでに、26本の動画をアップしています。

 

今日の時点でチャンネル登録者数は614人、視聴合計時間は約900時間。これが多いのか少ないのかは、比較対象がないのでわかりません。

 

本音を言うと、もうちょっと登録者数は多いと思っていました。

 

Youtubeで動画を配信すると、再生回数だけではなく、どんな年齢層が見ているとか、男女比はどうかとか細かいデータを見ることができます。

 

2B Channelの場合、年齢層は45歳から55歳が一番多く6割を占めます。次に35歳から45歳。で、あとは0%

 

もっと極端なのが男女比で、なんと94%6%。もちろん96%が男性。

 

つまり2B Channelは、おじさんで持っているということです。ワークショップもずっとそうなので今さら驚かないけど、本当に女性人気がありません。もっとも、配信しているネタは、おじさんウケの話ばかりだからねえ。

 

たぶん、『旅するカメラ』も同じ比率のような気がします。僕は昔からおじさんに支えられているようです。

 

動画の中でもっとも人気があるのは「長徳さんに影響を与えたフランクとメカス」。配信後すぐに500回再生されています。第二弾はすでに編集済み。これは面白いです。さすが、長徳さんと言うほかないですね。近日公開予定。

 

長徳さんに話を聞くきっかけになったのは「ロバート・フランクアメリカンズ』を読む」のなかで、長徳さんの話に触れたことでした。この動画を見ていてくれた長徳さんが、インタビューを快諾してくれました。

 

この「ロバート・フランクアメリカンズ』を読む」は、今年9月に亡くなったフランクの追悼企画のようになったこともあってか、人気が高い。

 

その他には「杉本博司 海景の露出の謎」や「ポートレート撮影 基礎編」なんかも再生回数は多いです。

 

Youtubeの大きなハードルは、登録者1000人で、1年間の総再生時間が4000時間というのがあります。これをクリアすると広告収入が入ってくる。でも登録者1000人というのは全体の2%1万人になるとわずか0.2%

 

収益化するのは3万人以上らしいので、収入を得るのはかなり厳しいわけです。

 

2B Channelは、「誰も写真家がやっていないからやってみる」と始めたわけですが、誰もやらない訳がわかりました。時間がかかりすぎるのです。1本の動画を作るのに、平均4日かかることがわかりました。

 

撮影して、荒編集して、詰めて、テロップいれて、画像をはりつけて。内容確認のため調べものをしたり、関連の写真をさがすのにもひと苦労。

 

6月から初めて、4ヶ月間で完成した動画はおよそ30本。1ヶ月8本くらい、やっぱり4日に1本になるわけです。

 

使用しているカメラは、動画でも紹介してますが、パナソニックルミックスGH4。動画を始めるにあたって、その筋のプロに相談したら「GH4を買った方がいい」と言われたので素直に買ってみました。まさかパナソニックデジタルカメラを買う日がくるなんて思ってもいませんでした。

 

結論からいうと、実用的で使いやすいカメラ。フジヤカメラで買った6万円の中古でしたが、仕事カメラとして十分機能しています。

 

まずバッテリーの持ちがいい。キヤノンデジタル一眼レフとほぼ同じ大きさのバッテリーを搭載していますから、2時間以上動画を撮ってもバッテリー切れをおこなさない。心配になるくらい持ちます。インタビューは2時間以上かかることもあるので、ありがたいです。

 

それから、他のカメラに比べて音もいいような気がします。これは比較テストしたわけじゃないけど、ホワイトノイズがほとんど出ません。マイクロフィーサーズのため、絞らなくともピントが深く、対談の場合などで、片方がボケることがないのもありがたい。

 

 

レンズはオリンパス17ミリF2単焦点レンズを使っています。その他にもオリンパス12ミリF2単焦点ワイドレンズ。

最初に買ったキットズームレンズは使わなくなりました。動画にすると性能の差が顕著にでます。当初は動画だからなんでもいいやと思っていましたが、やってみたら、動画の方がレンズは重要なような気がしています。

 

スチール、つまり静止画なら、アングルを変えながら撮影して、ちょうどいいところを切り取ればいいわけですが、動画の場合はそうもいかない。インタビューだと、一旦場所を決めたら置きっ放し。

 

すると安いレンズはハイライトは飛ぶし、F値が暗いから感度を上げることになる。結果シャドーはざらつくし、四隅は引っ張られたような収差がはっきりわかります。

 

そんな細かいこと誰も気にしてないという声もあるでしょうが、1本の動画を4日も見続ので、気になってしょうがない。

 

次にマイク。マイクは超大事です。それは動画のプロから聞いていたし、実際、自分が見ているyoutubuも、音がクリアなものしか見ていないです。

 

ところがこれが難しい。最初に買ったオーディオテクニカ1万円弱のマイクだけでは対応しきれないことが判明。外ロケではワイヤレスが必要だし、対談ではピンマイクがあると便利。

 

Amazonで評価の良さそうな中国製マイクをたくさん買いましたが、ほとんどは安物買いの銭失いになります。唯一よかったのは、長いケーブルの付いたたピンマイク。ふたつのマイクが根元でひとつに繋がっていて、ひとつの端子で二人の声がとれます。長徳さんのインタビューにも使いました。インタビュー中は動かないのでコードがあっても問題なし。

 

ワイヤレスは、中国製の2700円のものが評判よかったので買いましたが、ちょっと微妙です。でも本格的なものは4万円から6万円くらいします。

 

最近は中野のフジヤカメラに行ってもカメラ館ではなく、フジヤエーヴィックというオーディオや、動画機材を扱うところに行ってしまいます。

 

さて、ワークショップH6期の募集を開始しました。

 

練馬区江古田の僕の事務所で、「2B」と言う名前で約15間、写真のワークショップをやってきましたが、2018年の3月にビルの建て替えとともに、場所を杉並区の阿佐谷に移しました。そのときから名称を「H(エイチ)」としています。

 

撮影実習を中心に、写真を取り巻く様々なことをやっています。いま配信している2B Channelを見てもらえれば、やっていることが何となくわかってもらえると思います。

 

講座は、土曜日と日曜日の11時から14時まで。美術館めぐりや、浅草寺撮影実習などもあります。H5期では、関西からの参加もありましたし、2Bのときには、北海道、青森、岩手、名古屋、大阪、岐阜、福岡から参加もありました。

 

世界的な写真賞の受賞や、作品が国内外のメディアへ紹介されたり、写真集の出版、写真展の開催など多くの参加者がその後も継続的に写真を続けているのが特徴です。

 

そして年に一度、渋谷の「ギャラリー・ルデコ」でグループ展を開催しています。

今年は1015日(火)から20日(日)まで。時間は11時から19時(最終日は17時まで)。

 

3階はH1期から3期まで展示。4階と5階は2BOB展。5階はH1期を終了した平井タコさんのドローイングの個展になります。特に3階のHは、今までの写真の展示とはまったく違うものになるはずです。「ちゃんと写真をやりまさい」と言われそうです。そのくらい変わっています。

 

期間中、僕はだいたい3階の踊り場にいます。そこが定位置です。ウクレレ弾いているかも。声をかけてください。

写真の話をしましょう。

 

H6期 募集開始します

写真のワークショップH6期 募集開始

 

〈申し込み、問い合わせ〉

6期ワークショップへのお申込み、問い合わせは、ここから

 

 

日程〈2019年11月2日〜2020年1月26日〉

<6期 日程>

★1 回目 11月2日/3日  「写真のレビュー」

 皆さんが普段どんな写真を撮っているのかをレビューしていきます。

★2 回目 11月9日/10日  「写真表現に必要なこと」

 解像度というと、カメラの画素数を思い浮かべますが、絵画を含め、その他すべてのことには解像度      

 が存在します。表現をする上でこれはとても重要なことです。

★3 回目 11月16日/17日  「小物撮影 実習」

 小物を使っての撮影実習。段ボールを使って自宅でも簡単にできる撮影方法です。

★4 回目 11月23日/24日 「屋外 撮影実習」(高円寺周辺)

 カメラを持って街に出ます。光の捉え方を中心に解説し、皆さんに撮影してもらいます。

★5 回目 11月30日/12月1日 「街撮りからの全員レビュー」

 阿佐ヶ谷の町をデジタルカメラで撮影し、DPE店で即時プリント。全員の写真を皆でレビューします。

★6回目 12月7日/8日 「ポートレート」(撮影実習/新宿中央公園)

 どうやったら人物が魅力的に見えるか実践します。

★7回目 12月14日/15日  「写真の歴史と現代写真」

 写真はいつ、どこで、どのように出来上がり、どのように表現と結びついていったのか。歴史を知る 

 ことで、現代写真を理解する手がかりを見つけます。

★8 回目 12月21日/22日 「美術館巡り」東京都写真美術館(予定)

 現代写真というものを美術館の作品を通して解説。知ることで面白さが増えていきます。

  年末年始お休み

★9回目 1月4日/5日 「コラージュ」

 実際に、色紙と写真でコラージュを作ります。誰でもできて楽しめます。出来あがったそれぞれの作 

 品は、その場でトートバックにプリントします。

★10回目 1月11日/12日   「写真のセレクト」

 写真はセレクトが重要。選択しながら並べかえることで、ひとつのまとまりを作ります。

★11回目 1月18日/19日 「スライドショー、ショートムービー制作」

 スライドショーとショートムービーを作ることで、タイムラインを意識します。

★12回目 1月25日/26日 「著作権と肖像権」

 最終回は質問が多い著作権と肖像権を、判例を交えながら説明します。

<講座料>

1回につき5500円(消費税込) お支払は受講当日ごとになります。

(フィルムカメラの場合はフィルムの購入や現像代は別途となります)

※入会金、年会費等は不要です。

<曜日・時間帯>

●土曜 11時から13時半 ●日曜 11時から13時半

ご都合のいい曜日を選択ください(初回お試し受講も大歓迎)

申し込まれた曜日で都合がつかない回があれば、土日の振り替が可能です。

*単発受講も可能です。その都度ご連絡ください。

<カメラについて>

カメラがなくても参加できます。(iPhone、iPad、Android 等でもOK)

*フィルムカメラを使ってみたい方には無料の貸出機があります。

<場所>

JR総武線・中央線/東西線「阿佐ヶ谷」駅もしくは丸ノ内線「新高円寺」駅。

いずれも駅から徒歩8分ほど。

正式な申し込み後にH(エイチ)の所在地や地図を添付にてお送りします。

 

 

★ワークショップ2B&Hのサイト

https://workshop2bn.themedia.jp/pages/2323914/page_201810141729

★ youtube「2B Channel」(登録よろしくお願いします)

https://www.youtube.com/channel/UCfaR0r_x5jN3gOXYYBjNkkQ

10月になったというのに、まだまだ暑いね

ルデコまで2週間を切った。ここからが大変。

 

今年は3階がH修了展、4階と5階が2BOB展、6階がHに参加している平井タコのドローイング展になる。

3階の展示は「こんなの写真じゃない」って言われるだろうな。「2Bらしくない」とも。だってHだからね。違います。4階と5階がしっかりしているのでできるわけだが。

最近額装する人が激減しているのも特徴的だ。Hでは動画での展示も多い。立体もある。どうぞ怒らないで見て欲しい(笑)

 

月曜日、YouTube用収録のため、田中長徳さんに会いにいった。2時間たっぷり話を聞くことができた。今まで聞いたことのなかったことばかり。編集なしでもいけるくらい密度が濃い。さすがだ。

2BChannelの役割はアーカイブだと気がついた。いろいろな話を聞いていこうと思う。次は鬼海さんに会いに行きたい。

 

問題は編集作業。2時間インタビューしたら、帰ってからそれをまた2時間かけて聞き、必要がないところを探し、細かく細かく切っていく。最低でも4日。体力と気力の勝負。座っての作業で腰が痛くなる。

 

開局から1カ月、チャンネル登録者数いまだ500人前半。なかなか増えない、ちょっとなめてました。今月も頑張って配信します。

 

 

 

豚しゃぶ鍋を食べたらだいぶ回復した

夏の疲れがどっと出た。夏の疲れとは、すなわち動画編集疲れ。

 

3ヶ月間休みなしでパソコンにへばりついていたから、そりゃ疲れる。そうやって作った50本の動画、アップしてるのは30本弱。しばらくストックでやりくりしていけるのだが、次々と新しいものを撮影すると、すぐに出したくなる。『ロバートフランクを読む』は撮って即編集、即アップした。

 

とはいえ、1本につき4日くらい平気でかかる。ブログと違って効率超悪い。一旦アップすると修正も効かないし。誤字があると凹みます。

 

これで儲かれば言うことないのだが、このコンテンツだとねえ。アジェとかフランクとか見てくれる人どのくらいいるんだろ。マーケットリサーチ無しでやっているからしょうがない。リサーチしたところで、合わせられるわけないけどね。

 

フランクの回で田中長徳さんに触れたら本人が「いつでも出ますよ」と言ってくれた。ありがたいというか、嬉しいというか。鬼海さんも浅草寺で捕まえたい(笑)

 

カメラネタが貯まっているので、それも消化したいのだけど、明日は稲垣さんに鶏卵紙プリントを教えてもらう動画を撮りにいく。暗室探訪もシリーズ化したい。

 

しかしネタは増えても編集はひとり。へばらないようにやっていきます。

 

 

ロバートフランクを読む動画

9月9日にロバートフランクが亡くなったというニュースが流れてきた。写真界のトップニュースだ。
 
歴史的にもっとも大きな影響力を与えた作家で、1958年に出された写真集『The Americans』は、写真誌的にももっとも重要な一冊とされている。写真集という、1冊を使って構成するスタイルはここから始まった。
『The Americans』以前にも写真集は存在したが、いわゆるシングルでヒットした楽曲を集めたベストアルバム的なもの。ブレッソンの『決定的瞬間』はこれにあたる。
 
ところが『The Americans』は1冊を通して写真を構成するもの。当時としては画期的な試みだった。同時期のウィリアムクライン『
NewYork』、エルスケン『セーヌ左岸の恋』も同じように写真集というものを、新たなメディアとして考えている。
 
しかし、そうは言っても『The Americans』がなぜこんなにも評価が高いのかを写真集をパッと見ただけではわからない。前述のようなことや、1950年代のアメリカにおける時代背景を知ること無しに楽しむことは難しい。『The Americans』はもはや古典なのだ。古典は古典の読み方がある。
 
そこで、YouTubeの企画として『The Americansを誤読する』という企画をやってみることにした。ワークショップに参加してくれていたサイキカツミさんがnoteでずっと続けている企画で、とにかく1枚1枚写真に何が写っているのかをgoogleを使って検索していく。ものすごい手間のかかることをlずっと続けている。その一部をを動画で紹介しようと思う。
 
まずは『The Americans』の時代を解説するところから始めて、次に深掘っていく。文芸批評のアプローチで写真集を紐解いていくのだ。
2B Channel
https://youtu.be/5JVgenV5lK0


サイキさんのnoteはこちらから。これは一級の資料です。
https://note.mu/saikik/m/mc9bbc447e635
 
動画第一弾はこちら。

『じゃない写真』

雨が続くね。気温的にはちょうどいいけど、盛り上がらない。

 

今日は秋出版予定の本の赤字戻し。原稿を送って、編集者にレイアウトしてもらったものに修正を入れたものを再び編集者に返す。

2日間かけて妻に原稿を読み上げてもらって、ミスをチェックする。読み合わせという作業だ。

どんなにPCでチェックしていても、声に出して読むとアラが出てくるから不思議だ。

これでもう僕の役目はほぼ終わり。あとは必要な写真を揃えるくらい。

 

タイトルは「じゃない写真」。近頃よく耳にする「こんなの写真じゃんし」からきている。じゃあ写真ってなんだろうという話。

『旅するカメラ』と同じでコラム形式になっている。現代写真についてのことが中心だが、誰でも読めるようにしてある。

多くの写真関係書を読んでみたが、最後まで読み通せる本がほとんどない。40年写真をやっていても理解できない。

前提が理解できていることで書かれているからだ。ならば、その前提を書こうと思ったのだ。

 

読み合わせで一冊まるまる聞いたわけだが、面白いと思う。この感じは『旅するカメラ』の1冊目を出した時と同じ。

10月には出したいのだが、まだ発売日は未定。出版社としてはこれからが大変な作業になる。

本が出るのが待ち遠しい。

コーヒーを淹れる動画を撮ってみた

週末、家にワークショップやらなんやらで人がやってくる。

 

今週もオリンパスの14ミリを持って来てくれた人がいて、試してみると、写りがシャープ。「レンズなんてなんでも一緒だよー」と言っていたが、そんなことない(笑)

今うちに来る人をつかまえて、せっせと動画を撮っている。対談というより雑談。お相手は写さず、画面は僕だけ。こうすれば、話す人も抵抗がなくなるし、いろんな話が出てくる。

テーマとかないからどんどんズレていく。そのズレを拾っていく。メインのワークショップ動画はきちんと撮るが、あとは雑談。ネタには困らない。いつも2Bで話していたことだ。

 

昨日の話題はやっぱシグマだった。新しいレンズ交換式フルサイズミラーレス機「fp」のセンサーがフォヴィオンではなく、ベイヤーなことに驚いた。記者会見では、発表の時に会場がどよめいたそうだ。明らかに動画を意識している。リコーGRくらいの大きさだろうか。よく作ったよなあ。早く実機を見てみたい。

 

すっかり動画が面白くなってきた。

美術史講座案内

おそらく「日本一わかりやすく面白い美術史講座」

 

美術館に行くのが楽しみになります。

そして作品制作をしている方はマストと言っていいのが美術史です。

単に作家や作品の紹介ではなく、なぜその作品が生まれたのか、宗教や経済を交えて講義します。興味のある会のみの参加もできますが、通しで参加した方が楽しめると思います。

 

場所

阿佐ヶ谷H  メールにて住所と地図を送ります

 

講師

渡部さとる

 

日時

A 7月28日土曜日  17時から19時

B 8月4日土曜日17時から19時

 

講座料

単発参加4000円

全8回前払いの場合は27000円

19時から食事会に参加の場合はプラス2000円になります。

 

申し込み

workshop2b10th@yahoo.co.jp

もしくはFacebookメッセージ

希望のかたはA日程かB日程か、食事希望の方は、アレルギーのある食べ物や苦手なものをお知らせください。

 

初回内容

ルネサンスは時代をわける大きな転換点で、中世と近世をつなぐエキサイティングな出来事です。ルネサンスを知ることは経済、宗教、美術を知る上でとても重要です。ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロと華やかでとにかく面白い時代です。なぜそんなにルネサンスは華やかになったのか?そこに時代を変えた何かが存在します。

 

全講座予定

1回目 「A」7月6日(土)/「B」7月13日(土)

ルネサンスってなんだ?

商業の発展とキリスト教の世界観

 

2回目 「A」7月20日(土)/「B」7月27日(土)

フランス革命が変えた世界観

産業革命とブルジョワの誕生が生んだ絵画の変革

 

3回目 「A」8月3日(土)/「B」8月10日(土)

世界大戦がすべてを変えた

ダダイズムがもたらしたもの

 

4回目 「A」8月17日(土)/「B」8月24日(土)

アメリカファーストの時代へ

なぜアートはパリからニューヨークへ移ったぼか

 

5回目 「A」8月31日(土)/「B」9月7日(土)

1950弁台から日本にだって現代アートはあった

独自の進化をつぃていく日本のアート

 

6回目 「A」9月14日(土)/「B」9月21日(土)

コンセプチュアルアートってなんだ?

社会とつながりをもつ現在のアート事情

 

7回目 「A」9月28日(土)/「B」10月5日(土)

思想と哲学

難しいとおもってりいる人が多いけれど、かなり楽しい思想と哲学の世界

 

8回目 「A」10月12日(土)/「B」10月26日(土)

宗教

宗教とアートは密接に繋がっています